診察時間を確認する方はこちら
TEL:06-6155-3387 大阪府豊中市新千里東町1丁目2-3 ザ・千里レジデンス206

よくある症例

発達障害

2019.08.03

発達障害とは・・・

発達障害とは、脳機能(脳内の情報処理や制御)の発達が生まれつき偏りがあることにより生じる障害です。特定のことには優れた能力を発揮する(得意)一方で、ある分野に関しては極端に苦手(不得意)と凸凹(でこぼこ)な状態、過ごす環境や周囲の人との関わりによるミスマッチなどから、日常生活、社会生活に困難が起こります。発達障害は、その症状や悩みは人それぞれで、外見からは分かりにくいです。

そのため、発達障害の特性をご理解されていない場合、

「自分勝手な子」「わがままな子」「困った子」などと受け取られ、「怠けている」「親の育て方が悪い」などという声を聞くことも少なくないのではないでしょうか。

十人十色の症状や悩みの内容の困難さは、日常生活の環境を調整したり、発達障害の特性に合わせた方法で教育していくことで、状況も変わってくると言われています。お子様と周囲の人がその子の個性・能力・希望などをしっかりと理解した上で、その子に合ったサポートをしていくことが大切です。

発達障害の3つのタイプ

発達障害は、大きく3つのタイプに分類することができます。

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラム(ASD)は、ⅰ.言葉の発達の遅れがある ⅱ.他人とのコミュニケーション能力が苦手 ⅲ.興味や関心を持つ幅が狭く物事に対する強いこだわりを持っている これらの特徴が3歳くらいまでに現れます。同じ行動を繰り返したり、柔軟な思考や変化への対処が難しい場合もあります。

ASD(自閉症スペクトラム)の中にも様々なタイプがあり、知的障害を伴うケースや言語障害を伴わないケースもあります。診断時期や診断名、診断基準によっては、

  • 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害、
  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • 高機能自閉症
  • カナー症候群
  • 広汎性発達障害

などの名称や疾患概念で分けられることもあります。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の行動特徴としては、

  • 気が散りやすい
  • 集中力がない
  • 忘れっぽい
  • 落ち着きがない
  • 思いつきで行動してしまう
  • しゃべりすぎてしまう
  • 待てない

など、年齢に見合わない不注意があったり(注意欠陥)、多動性・衝動性によって日常生活や学業・学習に支障が出てしまうこともあります。
感情や行動をコントロールすることが自分自身では難しく、また周りから批難されたり、叱責を受けることがあったりしまいます。

学習障害(LD)

学習障害(LD)は、知的発達に関して大きな遅れはないのですが、読む・聞く・書く・話す・計算するという特定の行動が難しい状態です。学習障害(LD)の多くは、学校に行き教育を受け始めてから(学齢期になってから)はじめてわかります。例えば、読むことはできるが書くことが苦手、数学だけが理解ができないなど、特定の分野に得手不得手が偏る傾向が多く見られます。

実行が難しい行動によってタイプが分かれ、

  • ディスレクシア(読字障害)
  • ディスグラフィア(書字障害)
  • ディスカリキュリア(算数障害)

などに分類されることもあります。

発達障害の子どもはどんなことに悩んでいるの?

発達障害の症状や悩み事は、一人ひとりの年齢や特性によって異なりますが、発達障害の子どもによく見られる悩み事です。年齢に見合わない行動や発達の遅れがある場合、また、ご本人やご家族が困っている・悩んでいる場合などには、一度ご相談ください。

以下の項目で気になることはありませんか?

言葉の遅れ
  • 年齢に見合った言葉の発達が大きく遅れている(例えば、言葉が出ないなど)。
感覚過敏
  • 光や音に敏感に反応し嫌がる
  • 感触にこだわりがあり、決まった服以外着ることができない
  • 食事において好き嫌いが多く、偏食である
感覚鈍磨
  • 感覚の反応が鈍く、刺激や痛みに鈍感である。
こだわりが強い・変化が苦手
  • 日常生活に支障が出るくらい強いこだわりがある。

例えば、「同じおもちゃでなければ遊ばない」、「スケジュールが急に変わると活動できない」など、

不注意や忘れ物が目立つv
  • うっかりミスや忘れ物をすることが多い
  • 片付けや整理整頓が難しい
我慢することができず、行動がコントロールできない
  • じっと座っていることができない
  • 集中することが苦手
  • おしゃべりがやめられない
  • 我慢することや順番を待つことが苦手でイライラしたり、カッとしやすく些細なことで手が出てしまう
  • 人や先生の指示で動いたり、周りの子どもと合わせて行動することが苦手
周囲とのコミュニケーションが苦手
  • 周りの子どもとコミュニケーションを取ることが苦手
  • 一人で遊ぶことが多い
癇癪・自傷行動
  • 気に入らないことや思いがけないことがあるとパニックになったり、激しい癇癪を起こすことがある
  • 壁などに頭をぶつける、自分自身の髪の毛を抜く、自分の手や爪を噛むなどして自分を傷つける行動を起こす
学習面での困難
  • 読み書きや算数など、年齢相応な学習が苦手
  • できることとできないことの差が極端にある
  • 授業についていけない、宿題に非常に時間がかかることがある
不器用・運動面の遅れ(発達性協調運動障害)
  • 運動を調整することや力加減が苦手で極端に不器用
  • 体をクニャクニャとしている場合もある
  • 筆圧が弱く、指先がうまく動かせずに大きくなっても食べこぼしをよくする

これらの悩み事や困り事の行動の背景には、

  • 音に過敏であるために学校で集中できない
  • 姿勢を保つことが苦手で椅子にきちんと座ることが難しい
  • 言葉の遅れからコミュニケーションが取れず友達に手を出してしまう

など、それぞれの症状の特性が複雑に関係していることもあります。

個々の行動の特性が理解されないまま、「困った子」「できない子」と誤解され、行動を正そうと叱られることで、子どものやる気や自信をなくしてしまうことが多いです。このようなことが積み重なり、不登校や引きこもり、うつ、反抗挑戦性障害といった二次障害を引き起こす可能性がありますので、二次障害を防ぐためにもそれぞれの兆候を見逃さないことが大切になってきます。「困った子」というのは周りの考え方です。そうではなく子ども自身も悩んでいる・困っていると考え、早期にサポートしていきましょう。

発達障害の原因

発達障害の原因は、障害や個々のケースによって異なりますが、現在のところはっきりとわかっていません。有力な説としては、先天的な脳の機能障害による発達や認知の偏りというものです。

脳の機能障害が引き起こすメカニズムや要因に関しても現在研究段階です。その一方で、昔言われていた「親のしつけ方が悪い」「親の育て方が悪い」「親の愛情不足」という心理的・精神的な考え方は現在では医学的に否定されています。

遺伝的な要因も指摘されることもありますが、親から子へと必ずしも直接的に遺伝するものではありませんし、様々な遺伝要因や環境要因などが複雑に影響して現れると考えられます。現段階では、すべての人に当てはまる原因の解明は難しいとされています。

そのため、大切なことは、本人や家族は「なぜ発達障害になったのか?」という原因を追及することよりも、今お子様が何に困っているか、何に悩んでいるのか、お子様に合った対処法や環境をどうしたらいいのかを考えることです。