2022.03.04
健診などで偶然見つかった、症状を伴わない、肉眼では確認できない血尿(顕微鏡的血尿とも言います)・蛋白尿のことをチャンス血尿・蛋白尿と呼びます。
3歳半健診、就学後の学校検診で指摘され精査目的で受診されます。
その大多数が無症候性(何の症状も伴わないこと)か体位性(特に激しいスポーツをされている人に多い)ですが、希に慢性的腎疾患の初期であることもあります。
原疾患によってさまざまです。
まれに、左腎静脈がそばにある太い血管に挟まれることにより左の腎臓がうっ血し、血尿が出てくることもあります(ナットクラッカー現象)。
自覚症状はないことがほとんどです。
原疾患によっては、高血圧や浮腫(むくみ)が認められる場合があります。
血尿・蛋白尿が認められたら、顕微鏡による尿中赤血球量の測定、1日トータルの尿中蛋白量測定、腎臓超音波検査、血液検査など総合評価で診断を進めます。
それでも診断がつかないときは、腎生検といって、腎臓の組織を採取して電子顕微鏡で評価することもあります。
顕微鏡的血尿のみで、腎機能障害、蛋白尿、高血圧などの合併がなく、尿路結石や腫瘍が認められなかった場合は、最初の1年は3ヶ月毎の検尿を確認する必要があります。
経過観察中の運動制限、食事制限は特に必要がないことが多いです。