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よくある症状

低身長

2022.04.15

低身長
伸長が低くなる原因は人によってさまざまです。成長ホルモンや甲状腺ホルモンの不足、染色体の異常などが原因のときもあれば、持って生まれた体質や遺伝による体質性低身長もあり、ひとりひとりの原因や症状によって対応が変わってきます。
症状
主な症状は全体的な発育が不良で、低身長となります。一部の小児では歯の発達が遅れることがあります。成長ホルモン欠損症の小児は低身長ではありますが、上半身と下半身の比率は正常です。成長ホルモン欠損症の原因に応じて、他の異常も認められることがあります。

原因
子どもの伸長が低い原因の多くはは、ご両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものです。まれに成長ホルモンなどが分泌されていない場合や、骨や染色体の病気の場合もあります。これらの病気は、早めに治療することで身長が伸びる場合があります。以下に原因となる病気を記載いたします。

・成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気(甲状腺機能低下症、成長ホルモン分泌不全性低身長症など)
脳の外傷や脳腫瘍などにより脳の下垂体が障害を受け、下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなり伸長の伸びが悪くなることがあります。甲状腺ホルモンや成長ホルモンの分泌不足が原因であるため、これらを治療で補うことにより身長が伸びます。

・染色体の病気(ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群など)
ターナー症候群とは、女の子にある2本の染色体が1本しかなかったり、一部が欠けていたりしている病気です。卵巣の発育が悪いので思春期が見られず、また心臓病や難聴などの合併症の危険性もあります。女性ホルモンや成長ホルモン治療を行うことがあります。
プラダー・ウィリー症候群とは、15番染色体の変異で起こる病気です。低身長だけでなく、性腺の発育が悪く、乳幼児期には筋緊張の低下がみられ、発達障害や肥満などの症状がみられる場合もあります。成長ホルモン治療を行うことがあります。

・子宮内発育不全(SGA性低身長症など)
子宮内発育不全とは、妊娠満期で生まれても身長や体重の小さい子どもや早産で妊娠週数と比べて小さく生まれた子どものことをいいます。子宮内発育不全で生まれた子どもの多くは3歳までに身長が伸びます。まれに伸長の伸びがみられず、成長ホルモン治療を行うことがあります。

治療
低身長の治療は成長ホルモンによる薬物治療を実施いたします。
ただし、ホルモンに異常がない体質性低身長については、薬物治療が認められていないため、栄養・睡眠・運動などの生活習慣を見直します。
それでも低身長が改善されない場合は、男児(11歳で身長135㎝以下)は「蛋白同化ホルモン」、女児(10歳で身長128㎝以下)は性腺抑制療法での治療を行います。
低身長の治療はまだ骨が成熟していない早い年齢から開始するほど治療効果が期待できるため、早期の受診をおすすめします。

背を伸ばすために大事なポイント
薬物で治療したからといって、必ず背が伸びるわけではありません。大事なことは以下の3つのポイントを意識することです。
1.栄養
主にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆など)の摂取が必要です。動物性たんぱくと植物性たんぱくを十分とりましょう。

2.睡眠
夜寝ているときに成長ホルモンが分泌しますので、早寝早起きが大切です。遅くとも夜10時までに寝るようにしましょう。

3.運動
激しい運動をしすぎると成長を止めることにもつながりますが、適度な運動は食欲の増進と睡眠に深く関係しています(水泳は特におすすめです)。