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よくある症状

熱性痙攣(けいれん)

2022.03.04

熱性痙攣(けいれん)とは

主に6ヶ月から6歳未満の乳幼児が38度以上の高熱を伴って起こる痙攣(けいれん)を熱性痙攣(けいれん)と呼びます。5歳までに7~10%が経験し、そのうち1日だけの乳幼児が60%、2日だけの乳幼児が20%と言われています。

熱性痙攣(けいれん)の症状とは

38度以上の高熱で全身がガタガタふるえて痙攣(けいれん)を起こし、意識がなくなるのが熱性痙攣(けいれん)の特徴です。他にも白目をむいたり、呼吸が浅くなるためチアノーゼになる(顔色が悪くなる)こともあります。
ほとんどの場合、痙攣(けいれん)発作は10分以内に終わり、意識が回復し、元気であれば家で安静にしてください。10分以上痙攣(けいれん)が続いたり、痙攣(けいれん)が左右非対称である場合、短い間隔で繰り返し発作が起こる場合などは医師の受診を必要とします。

熱性痙攣(けいれん)が起こったら

初めて痙攣(けいれん)が起こったらパニックになる方もいらっしゃいますが、落ち着いてそっと見守ってください。

  • 首まわりや胸元のボタンをはずし、吐くこともありますので、顔を横に向かせて寝かせます。
  • 白目をむいて呼吸が浅くなり、顔色が悪くなりますが、絶対に口の中に物を入れたり、手を入れたりしないでください。かえって口の中や手を傷つけることがあります。
  • 痙攣(けいれん)が始まったら、いつから始まったのか、どのくらいの時間続いたのかを記録し医師に伝える準備をします。

なぜ起こるのか

脳は弱い電気信号により筋肉を動かしています。小さい子供の未熟な脳細胞は高熱になると熱の刺激で勝手に強い信号を出してしまい、それが痙攣(けいれん)や意識障害の原因となります。脳細胞が成熟すると(年齢が上がると)熱性痙攣(けいれん)が起こりにくくなるのはこのためです。
遺伝性が強いと言われ、親や兄弟に熱性痙攣(けいれん)の既往があると発症する可能性が高くなると言われています(遺伝がなくても発症する人もいます)。

その他の痙攣(けいれん)

熱性痙攣(けいれん)は「良性」の痙攣(けいれん)であとあと後遺症等にはなりません。
成長とともに自然になくなる痙攣(けいれん)と考えられています。
熱の刺激による痙攣(けいれん)なので痙攣(けいれん)自体も数分で治り、症状が残らないとされています。

「熱のない」痙攣(けいれん)は注意が必要です。

①脳出血・脳腫瘍奇形
⇒熱以外の要因で痙攣(けいれん)を起こします。
(出血や腫瘍が脳細胞を刺激して痙攣(けいれん)します)

②胃腸炎関連痙攣(けいれん)
嘔吐・下痢など胃腸炎の症状のある時に熱もないのに痙攣(けいれん)する時があります。基本的には胃腸炎の改善とともに良くなりますが、他の「熱のない」痙攣(けいれん)と鑑別か必要なため検査などが必要です。

③てんかん
脳細胞が熱刺激がないのに異常な強い電気信号を出す事により痙攣(けいれん)します。脳波検査で脳細胞から異常な電気信号が出てないかを調べます。(もともと刺激されていて痙攣(けいれん)はしてなかったか熱の刺激が加わり発症することもあるので低い熱や繰り返す時は注意しましょう。)

④脳炎・脳症
脳自体が直接侵され意識障害が長びきます。熱性痙攣(けいれん)が数分で改善し意識が戻るのに対し意識障害が長びくとき等は注意が必要です。

脳波検査について
熱性痙攣(けいれん)は良性の痙攣(けいれん)のため脳波検査は行いませんが、特にてんかん等、他の痙攣(けいれん)を疑う場合は行います。熱が低くても痙攣(けいれん)する回数が多い、体の一部での痙攣(けいれん)が目立つ痙攣(けいれん)の場合、発達障害がある場合は行います。