2022.12.04
新型コロナ感染症第8波が本格的に始まりました。
それに伴うかのごとく、日本製の抗ウイルス薬が緊急承認されました。
3年前から世界を席巻している感染症に対して(日本製なので特に)より安全かつ安定供給されると思われる薬が開発、治験を経て承認されたのは誠に喜ばしいことです。
しかし一抹の不安があることも確かです。
使用対象者はこれまで承認されている経口薬と異なり、重症化リスクがない患者も含むとされています。軽症例に対しても使用可能ということです。
新たな治療の選択肢が増えることは中等症以上の患者さんや基礎疾患を持つ患者さんにとって重症抑制効果が期待できるので光明ですが、対症療法のみで自然軽快する患者さんも内服できるということに殺到する方が増えはしないかという不安があります。
もし抗インフルエンザ薬のようになってしまったら耐性ウイルスも増えるだろうし、どうなんでしょう?
もっとも、数日で自然軽快する可能性が高いのに、抗コロナ薬によって発現するかもしれない副作用をあえて受け入れる患者さんは少ないとも思われますが。。。
とはいえ、人類の前に立ちはだかった新たなウイルスに対しての研究、治療薬の開発、治験に協力された医師、コメディカルの方々、患者さまetc 様々な人の協力や熱い気概によって世にでたお薬です。
我々はそのような方々の情熱に思いを馳せ、状況を見極めつつ、患者さんに安心をお与えするようつとめていく所存です。