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院長のつれづれ

【院長のつれづれ】病は気から

2021.03.04

何かの病に罹ってしまった、不慮の事故でケガをしてしまったときによく使われる格言です。気の持ちようによって病状は良くも悪くもなるという意味ですが、科学的根拠もあるようです。ストレスホルモンと呼ばれるホルモンによって、生体に血圧や血糖の上昇、免疫機能の低下、不妊などをもたらすというものです。

実際、笑顔でいることや声を出して笑うことは免疫機能を賦活させます。常にポジティブに物事をとらえるということは、実際にはなかなか難しいのですが・・・

 

ちなみに、「病は口ぐせで治る!」(日本メディカルコーチング研究所 所長 原田文植  2017)につまびらかです。

 

プラセボ効果という概念もあります。本来は薬としての効果を持たない物質によって得られる効果のことです。

この効果は特に痛み、不眠、下痢に影響を及ぼし、ある実験では偽薬を飲ませた人の30%に鎮痛効果があったとの報告があるようです。

 

私は偽薬は投与しませんが、日常診療で不定愁訴(頭痛、腹痛、体のダルさなど)で受診される患者さんに鎮痛剤などを処方する際には「これ飲んだら絶対に良くなるよ!」と言って、患者さんにある意味 暗示をかけるようにしています。

 

こんな話があります。

某女性歌手が幼少期より音楽の英才教育を受けていました。彼女は音楽で天才的才能を開花させるのですが、日常の人の言葉、周囲の物音、ネコの鳴き声など あらゆるものが音階(ドレミ)で聞こえるようになってしまった。

これはヘンな病気じゃないか?どこにかかっても原因が判明しない。

 

そんな時ある先生が、

ねえ、お嬢ちゃん、なんの音も音階に聞こえるのは、大人になったら安定してくるよ、だから君のことをモーツァルト病って名付けるから天才だと思った方がいいよ

 

それで彼女はちょっと救われて、私天才だ!私モーツァルト病なんだ!とポジティブに考え、紆余曲折の末、日本のトップアーティストまで上り詰めました。

 

そっとかける言葉で、かけられた人がものすごく救われることがあります。もちろんその逆もあるので当該人物との信頼関係はかなり重要ですが、そんな言葉をかけてあげることができる存在になりたいです。