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院長のつれづれ

【院長のつれづれ】静寂の時

2020.06.24

私が小学6年生時の国語教科書の小説が未だに記憶に残っています。

 

A君は学級委員というクラスメートから信頼される立場でしたが、あるときクラスみんなにひょんなことからウソをついてしまいます。若さゆえの過ちを認めたくない彼は、道徳の時間に担任先生含めクラスみんなの前でその理由を問われることに・・・。まさに吊るし上げ、針のムシロ状態に晒された彼は、その際に考えられうる言い訳を、聞き入れてくれるはずもなかろうオーディエンスの人々に切々と語るのです。。。

 

その際の作者の文章が粋です。

「僕はその時思いつく理由を、思いつくままにみんなに話した。どれだけのクラスメートが理解してくれるだろう。先生は僕のことを瞬きもせず無表情で見ている。自分の息づかいがこれほど感じられたことは今までになかった。(*中略) 話が終わって、しばらく誰も先生ですら僕に何も質問はしなかった。遠くで音楽授業のピアノが聴こえた。」

 

この緊張の糸が張りつめる瞬間を描写した小説です。遠くで聴こえるピアノが、教室の静寂さを強調します。なんか、身につまされます・・・・。

 

プロ野球が開幕して1週間になります。やっと日本全国のファンが一堂に喜びを分かち合える瞬間がやってきました。しかし、無観客・・・。しかも、いきなりジャイアンツに3タテてくらうて・・・泣。

 

コロナ禍でしかたないですが、やはり観客の声援、応援歌がどれほど重要な役割を担ってきたかが、失くなって初めてわかります。なんか、いや、ものすごく物足りない。それは選手たちが一番身にしみて感じてることでしょう。TV観戦してる我々としては、選手の掛け声、打った瞬間の音、ミットに収まるボールの音、デッドボールの音でさえ鮮明に聴こえますから、それはそれで良かったと言うべきでしょう。実況アナウンサーの声が聴こえて、バッターに球のコースがわかってしまうから何とかしてくれといった監督もいるようですが・・・。

 

聴こえる、聴こえないでメリット、デメリットはありますが、コロナ禍が収まった頃には現在の無観客試合も無くなってるはずなので、今しかみられない、感じられない試合を心に刻みたいです。